本図は方位神である歳徳神と八将神の典型的な図像に、各神に対応する方位を記載しているものであり祇園信仰と陰陽道(暦道)の密接な関連を示している。
この図だけでは祇園信仰との接点が不明確とも思われるが、右上の説明書には「暦家書曰歳徳神頗梨采女乃天道神之配八将神之母也」とあり、女神を祇園神である頗梨采女と明記しており、祇園信仰と密接に関連した図であるといえる。
そして「八将神之母也」とあるように、ここで描かれる八将神は祇園神である八王子でもある。
「暦家書」とは陰陽道の教典「金烏玉兎集」のことであろう。
この図に象徴されるように、祇園信仰と陰陽道とは密接に習合していた。
この図は多数発行されたようであり,本図は享保九年(一七二四年)に作成されたものであるが、宝永元年製作のもののほか、同様の図が多数伝来している。
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